上座敷・下座敷KAMIZASHIKI/SHIMOZASHIKI
※下記ナレーションが再生されます。
この部屋は、奥を「上座敷」、手前を「下座敷」と呼んでいます。
当主の特別なお客様が来られた時に使用しました。
上座敷には、床の間を中心に、7銘木と言われる槐(えんじゅ)、鉄刀木(たがやさん)、黒柿(くろがき)、椰子(やし)、花梨(かりん)、桜(さくら)、胡桃(くるみ)の木材が使用されています。
上座敷と下座敷の境にある欄間(らんま)には花梨の木を使用し、蘭、竹、菊、梅が彫られています。
これらの花は、東洋画では、気品があり洗練されているとされ「四君子」(しくんし)と言われています。
柱の横に打ち付けられている「長押」(なげし)の真中にある金具は「釘隠」(かぎかくし)と言われるもので、部屋毎にデザインが違っています。
また、襖の手がけにも模様が彫られています。障子にもそれぞれ趣向が凝らされています。
上座敷の障子は、中国風の組子に麻の透かし入りの美濃紙が貼られており、左手の障子の桟(さん)は角が丸く仕上げられています。
下座敷の障子は、桟が編んで作られ、手掛けは柏倉家一族の絵師、柏倉雪章の作った切り絵が貼ってあります。
上座敷から見られるに庭は、約150年前に「小堀遠州流」の様式で造られたもので、鶴亀の庭と呼ばれています。
池に張りだした3つの石が亀の頭と両手、それに続く陸地が亀の胴体。
池の真中の陸地には、当時、松の木が植えられており、それが鶴に見立てられていました。